解体工事と聞くと重機で建物を一気に壊すイメージを持たれる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、解体工事には手作業で行うものもあれば、建物の内装だけを解体する場合もあります。
建て替えや新築工事の前に元々あった家屋を取り壊すのも解体工事です。
解体工事は物件や周囲の状況によって工法を変えながら作業をしていくため、
建築物についての幅広い知識が必要とされます。
■建物の構造に合わせて解体
木造や鉄骨造など建物ごとに建築方法は違うため、それぞれの構造に合わせた
解体方法で工事を進めていく必要があります。
さらに建物の内部はさまざまな資材が複雑に絡み合っています。
建築の知識をもとに適切な順番で解体をしていかなければなりません。
・木造家屋の解体
木造の家屋では、まず瓦を撤去してから内装材を手壊しで解体していきます。
次に重機を使い建物を壊しながら木材と可燃物、不燃物などを分別します。
建物が撤去されたら、細かい木くずやコンクリート破片の除去を行います。
・鉄骨造・鉄筋コンクリート(RC)家屋の解体
大きな鉄骨造の建物は、新築の工事と逆の手順で、大型重機を使いながら鉄骨などの部材を溶断していきます。
鉄筋コンクリート(RC)解体では着工前に特定建設作業届けをし、
大量に出る粉塵や壁倒し時の倒壊に注意しながら作業を進めていきます。
鉄骨造・鉄筋コンクリート(RC)の解体には、専門の重機や安全に作業をするための知識が必要です。
そのため解体業者によっては工事を請け負えない場合もありますので、
依頼時には建物の構造を伝え、対応できるかどうか確認をしましょう。
■解体工事の許可について
解体工事を行うためには、「建設業許可」か「解体工事業登録」のどちらかの資格が必要です。
建設業許可を保有している場合は500万円以上の解体工事を請け負うことが可能になります。
建設業許可を持っていなくても解体工事業登録があれば工事を行うことはできますが、
作業できるのは500万円未満の工事のみになります。
無資格や無許可では解体工事はできませんので、解体工事の業者を探す際には
資格についてチェックするようにしましょう。
また、解体をすると多くの廃棄物が出てきます。
解体業者が廃棄物の処理まで行う場合は、産業廃棄物収集運搬業の許可も必要になります。
建築物を取り壊すことは危険を伴う作業です。
安全に事故なく解体をするためにも、必ずこうした許可を持った適切な業者に依頼をすることが重要です。
■解体工事と手続きについて
解体工事の際には、工事を依頼されるお客さま側でさまざまな届出をする必要があります。
工事のスタート日が決まったら、ガスや水道、電気、インターネットなどそれまで使用していた
インフラを全て停止させる手続きをしなければなりません。
その他にも、役所へ届け出が必要な書類もあります。
いつ頃までにどのような手続きが必要なのか事前に確認をしておきましょう。